Category : 京都市景観政策
30日新景観政策の修正案が発表された。【ここから続き】
新景観政策の修正案30日新景観政策の修正案が発表された。
2007年01月31日京都新聞朝刊 1面デザイン中心の8項目で規制緩和 京都市、景観政策の修正案発表
京都市の桝本頼兼市長は30日、臨時会見を開き、来年度早々の導入を目指す新景観政策の修正案を発表した。見直したのは、昨年11月に決めた素案のうち、美観地区の緑地基準や幹線道路沿道の「壁面後退」基準などデザイン中心の8項目。「基準が厳し過ぎる」など市民の意見を踏まえ、一定地区を除き緑地基準を「努力義務」とするなど一部規制緩和する。併せて、新景観政策施行に伴う不適格物件に対応する建て替え助成制度の新年度創設も明らかにした。
新景観政策は、市街地の約3割を対象に高さ規制を強化、建築物のデザイン基準や屋外広告物面積なども細かく定め、京都らしい景観に配慮する。市は、昨年11月に素案を公表、2月市議会に関連条例の提案を予定しているが、「狭い敷地では家が建たなくなる」「緑地規制が厳しい」などの指摘や与党市議からの異論もあり、修正に踏み切ることにした。
具体的には、丸太町通など幹線道路沿道で「道路境界から壁面1メートル後退」とする義務規定を「努力義務」とした。植栽面積基準は「300平方メートル未満の敷地で、建築面積を除く敷地の30%、300平方メートル以上50%」と定めたが、美観地区全域から「山麓(さんろく)型」「岸辺型」地区に限定、他地区は努力義務にする。
美観地区の勾配(こうばい)屋根の設置義務化では、壁から外側に出るけらば(屋根の端)部分の「30センチ以上確保」を「原則」とし、数値設定は山麓・岸辺型などに限る。確保が難しい場合は例外を認める。公共施設から外壁を「90センチ以上後退させる」との規定も例外措置を認める。
新たな基準では違反になる屋外広告物も、撤去の猶予期間を最長6年から改善計画の提出を条件に最長7年に延ばす。桝本市長は「練りに練り上げた素案だが、かたくなに押しつけるものでない。柔軟に対応し、市民や議会の理解を得たい」と述べた。
2007年01月31日京都新聞朝刊 3面京都市の新景観政策 助成融資上限700万円 建て替え相談体制整備も
京都市が30日、新年創設を発表した新景観政策施行に伴うマンションなど不適格物件の建て替え助成制度は、1戸辺り700万円を上限に定理の支援融資を行う内容となった。市は、同制度の預託金や、建て替えを支援する相談事業、屋外広告物の誘導策など新景観政策の導入に対応する施策の費用を、新年度予算案に盛り込む方針を明らかにした。
市は、分譲マンション建て替え時には、住宅金融公庫の定理融資に加え、1戸当たり700万円を上限に、公庫よいも低利な金利で追加融資する支援制度を創設する。このため、新たに4億5000万円の融資枠を確保するほか、国が建築物の建て替えで設計や解体費を補助する優良建築物整備事業も活用する。
また、分譲マンションの建て替えや大規模改修を行う場合、管理組合の合意形成を促すため、建築士や弁護士など専門アドバイザーを派遣する経費として400万円を計上し、相談体制を整える。
一方、景観に配慮した優れた屋外広告物を誘導していくため、商店街など一定地域がまとまって優良なデザインを採用する場合、調査費や制作費を一部助成する経費として、新たに1200万円を当てる。
「規制あいまい」不動産や広告業界
京都市が30日発表した新景観政策の修正案に対し、事業に影響が出ると反発してきた不動産や広告の業界は「より規制内容があいまいになった」「到底納得できるものではない」など厳しい反応をみせた。2月議会で市が提案する関連条例案を審議する市議会から「これから議論する」と賛否の態度に慎重な姿勢を示す市議も多く、新景観政策の行方にはなお曲折も予想される。
敷地内の緑化の義務化や道路境界から建物を後退させる規制強化に対し、問題点を指摘してきた府宅地建物取引業協会の川島健太郎副会長は、「努力義務などの表現を使い規制を緩めた内容だが、逆にあいまいになった。修正よりも撤回の方がすっきりする」と疑問を示し、協会としての今後の対応について「近く検討する」とした。
また、「規制は死活問題」と反発を強めている府広告美術組合の上出皓一郎理事長は、市が新基準で違反となる広告物の撤去猶予を最長7年に伸ばす修正に対し、「組合が求めていたのは10〜15年。一部修正ではとても納得できない」と受け入れに厳しい見方を示した。
一方、市議会の与党会派は、「市民の十分な理解が必要」として態度を明確にしていない。自民党市議は「まだたたき台。手直しは要る」と述べ、公明党市議は「修正は一定評価するが、今後も相当の議論が必要」と指摘した。民主党市議は「細かな修正だけでなく、将来を見通した戦略的な展望も足りない」と注文を付け、野党の共産党市議も「小規模住宅の建て替えで問題が残るのか見極めたい」としている。
桝本頼兼市長は同日の臨時記者会見で、「2月議会までに市民の意見を精査し、さらに取り入れるものは取り入れる」と述べ、再度、修正もあり得るとの考えを示した。
2007年01月31日日経ネット関西版京都市、屋上広告を禁止──景観条例案、市議会に提出へ
京都市は30日、建築物の高さや屋外広告規制強化を柱とする景観条例案を2月市議会に提出すると発表した。屋外広告については、屋上への設置と点滅式照明の使用を市内全域で禁止する内容。景観保持のためにこれだけの厳しい規制をかけるのは異例。
影響を受ける屋外広告業界の団体などは撤回を求めていたが、「実施を先に延ばせば京都の街は取り返しのつかない事態に陥る」(桝本頼兼市長)として提出を決めた。
景観条例案には眺望景観の保全策や世界遺産周辺の建築デザイン誘導策なども盛り込んだ。例えば市中心部の幹線道路沿いでは、従来45メートルだった建築物の高さの最高限度を31メートルに引き下げ、道路に突出する袖看板を禁止する。
市内には設置許可の取得を義務付ける現行の屋外広告物条例に違反し、許可を得ないまま設置される広告が多数ある。市の調査によると、中心部にある約600棟の建物の6割以上で違反が確認されたという。
2007年01月31日 読売新聞 関西発 ニュース高さ超過マンション建て替えに助成…京都市の景観政策
世界遺産周辺などでの建物の高さ制限の強化など新たな景観政策の導入を目指す京都市は30日、反対意見に配慮、古都の景観保護を円滑に進めるための異例の支援策を打ち出した。支援策は、高さ規制を上回るマンションの建て替えを対象にした工事費の助成や低利融資、専門アドバイザーの派遣など。また、市内全域での屋上看板と電飾点滅広告の禁止について、広告業界の反発を受け、猶予期間を当初案の最長6年間から一律7年間に延長する軌道修正をした。
支援策では、マンション建て替えや大規模修繕の際に弁護士や建築士の助言を受けられるようにし、住民の話し合いがスムーズに進められるようにする。また1戸あたり700万円を限度に建て替え費用を融資。廊下など共有部分の工事費を助成する制度も設ける。
市は新年度中に、建物の上限を現在の15階建て相当の45メートルから、10階建て相当の31メートルまで抑制する。新しい規制を超える建物は約1800棟あるとみられ、建て替え時には高さを低くしなければならない。
新景観政策を巡り、市民から延べ1410件の意見が市に寄せられた。賛成の声がある一方、建物については「十分な床面積を確保できない可能性があり、建て替えが難しくなる」「高さ規制の強化で資産価値が下がる」、厳しい広告規制については、「商店街の活力がなくなる」などの反対意見があった。
記者会見した桝本頼兼市長は「市民の理解を得ながら進めることが、優れた景観をつくり出す近道と考えた」と話している。




